メンフクロウ職員「基本的な擬態」として葉や枝にそっくりな虫を見た前編に続き、今回は一歩進んで「認知をハックする擬態」の世界をのぞきます。
ゴミやフンのような塊になりきる幼虫、透明な翅で背景ごと透かすチョウ、理解不能な突起で脳をフリーズさせるツノゼミやビワハゴロモ、さらにカタゾウムシとカミキリの擬態リングまで…。
昆虫たちが「見つける・無視する・怖がる・混乱する」といった捕食者の認知をどう利用しているのか、最新の擬態研究も踏まえて、わかりやすく解説します。


擬態とは「似ること」ではない?


出典:iNaturalist – Crinodes bellatrix(rog973)
前編では、昆虫の擬態の基本形を見てきました。例えば、背景に溶け込むコノハムシやナナフシ、危険なハチに化けるハナアブやスカシバガ、危険な者同士で姿をそろえるミュラー型擬態、花や光の信号で獲物を誘う攻撃的擬態、そしてアリ社会に入り込む化学擬態です。
これらを見ていると、擬態とは「何かに似ること」だと思いたくなります。葉に似る。枝に似る。ハチに似る。花に似る。信号や匂いを似せる…。



たしかに、それは擬態の重要な一面です。しかし、擬態の本質は本当に「似ること」なのでしょうか。


出典:iNaturalist – ツツジコブハムシ Chlamisus laticollis(hakkahamushi)
自然界のだまし合いをもう少し深く見ていくと、擬態の中心には「相手の認知」があることがわかります。
自然の中に生きる動物たちの多くは、何を探しているか、何を危険だと学習したか、何を無視するか、何に驚くか…。そのような脳の働きに基づいて、目の前の情報を処理しています。
「なりすます」昆虫たちは、その認知のすき間に入り込みます。
背景に似るのではなく「意味のないもの」として無視される。形ではなく、流れる時間の中で、「動き」をまねる。正体不明の姿で相手の判断を一瞬止める。さらに、本物と偽物の境界そのものをあいまいにする…。
後編では、既存の分類だけでは説明しきれない、「概念を揺さぶる擬態」を紹介します。このような昆虫を見ていくと、私たち人間もまた、昆虫たちの戦略の被験者であることに気づくかもしれません。



なぜなら、私たちの脳もまた、見たいものを見て、意味のないものを無視し、わからないものを怖がるからです。


「見えない」のではなく「認識されない」


出典:iNaturalist – Oeda informis(siddantas)



上の画像のツノゼミ、一体何に擬態しているのでしょう…?本体の何倍も大きいものを背負って、逆に目立ちませんか?



何かの抜け殻?など、いろいろ考察はありますが、結局「なんだかよくわからないもの」なんですね。つまり捕食者からしたら「よくわからないからスルー」となることが多いのです。
無視される戦略:捕食者の「検索対象外」になる知恵


出典:iNaturalist – ミカヅキゾウムシ Cerocranus extremus(damienbr)
ものを見るという行為は、目に光が入るだけでは成り立ちません。脳がその情報を処理し、「これは何か」を判断して初めて、私たちは何かを見たと感じます。
捕食者も同じです。鳥が葉の上を見ているとき、視界に入ったすべての点を平等に調べているわけではありません。
餌を探すときには、過去の経験に基づいて「こういう形や色のものが食べ物だ」という予期をもっています。このような探索時のイメージは、サーチイメージと呼ばれます。
見つかったら餌となってしまう昆虫にとっては、このサーチイメージから外れることが重要になります。視界に入っていても、捕食者が「食べ物候補」として処理しなければ、そこに存在しないのに近い状態になります。



つまり「見えない」のではなく、「認識されない」のです。



人にも、悪目立ちする人もいれば、上手に気配を消せる人も居ますよね〜
ノイズ化による無視の心理


森の中には、葉の欠片、土の粒、枯れ枝、花粉、鳥のフン、死骸のかけらなど、たくさんの雑多なものがあります。捕食者がそれらすべてに反応していたら、餌探しは成り立ちません。
脳は、意味がないと判断した情報を背景ノイズとして処理します。ここに入り込むのが、「ノイズ化」の戦略です。



この戦略では、昆虫は何か具体的な生き物に似るのではなく、「意味のない塊」として扱われることを目指します。



つまり、「取るに足らないもの」になりすますのですね!
捕食者が「これは虫だ」と判断する前に、自らを「ただのゴミ」「ただの汚れ」として処理させるのです。この戦略の面白さは、隠れているようで隠れていないところにあります。
対象は視界に入っています。光も届いています。それでも、捕食者の脳の中では存在が削除される…。



擬態は、目ではなく認知の段階で起きているのです。



最近、世間でも「認知戦」なんて言葉を時々聞くようになりましたね…。
クサカゲロウの幼虫:背中にゴミを背負う


出典:iNaturalist – Leucochrysa pavida(butterflyvisions)
クサカゲロウの幼虫の中には、背中にゴミや植物片、獲物の死骸などを背負うものがいます。見た目は、きれいな昆虫というより、動くゴミのようです。


出典:iNaturalist – Leucochrysa pavida(jerryfinlayson)
この幼虫は、背景そのものに完全に溶け込んでいるわけではありません。むしろ背中にいろいろなものを背負っているため、よく見れば奇妙です。
しかし捕食者から見れば「餌となりうる昆虫らしい輪郭」ではなく、「意味のない破片の塊」として処理される可能性があるのです。



居場所によっては、かえって目立ってしまう可能性も…


出典:iNaturalist – Leucochrysa pavida(ccantley)
琥珀化石からは、ゴミや土を背負うクサカゲロウ型の幼虫が白亜紀から存在していたことが報告されています。これは、ノイズ化による防御が非常に古い進化的戦略であることを示しています。
スカシジャノメ:背景そのものを透過させるステルス


出典:iNaturalist – Greta morgane ssp. oto(simonele)
透明な翅をもつチョウとして有名なのが、スカシジャノメの仲間です。例えば、ツマジロスカシマダラ(Greta oto )では、翅の広い部分がガラスのように透けて見えます。



繊細で、素敵ですね〜!
透明な翅は、何かに似ているわけではありません。むしろ「そこに物体が存在しない」ように見せます。背景の色や模様をまねるのではなく、背景そのものを透過させるのです。


出典:iNatralist – Cithaerias andromeda()
この透明性には、翅の鱗粉の配置や、表面の微細なナノ構造が関わっています。光の反射を減らす構造があることで、透明な翅はぎらつきにくくなります。
もし透明でも強く反射してしまえば、そこに何かがあると気づかれてしまいます。透明になるだけでなく、「透明に見えるための光学的な工夫」が必要なのです。


出典:iNaturalist – Cithaerias pireta(josh_vandermeulen)
クサカゲロウの幼虫が「無意味な塊」として見えているのに認識から外れるのに対し、スカシジャノメは透明になって「物体がない」ように見せます。どちらも、単純な「似る」ではなく、相手の認識の入口をすり抜ける戦略です。


形ではなく「時間を真似る」擬態


出典:iNaturalist – オオカレエダカマキリ Toxodera beieri(yzcitic_zj)
「擬態」というと、静止画のように切り取られた「形」や「色」に目が行きがちです。しかし、実際のフィールドで昆虫と向き合うと、実は「微動だにしない」スタイルのものがいる一方で、もっと「4次元的な擬態」をするものもいます。



ここで言う「4次元の擬態」とは、「形(3次元)」だけを真似るのではなく、「いつ・どんなリズムで動くか(時間)」まで含めて真似る擬態です。



1次元から4次元までは、「増えていく“向き”の数」と考えるとイメージしやすくなります。👇️
- 1次元
まっすぐな線の世界。右か左か(前か後ろか)だけがある状態です。ものの位置は「1本のものさし」の上のどこかで決まります。 - 2次元
面の世界。縦と横の2つの向きがあり、ノートの上や地図の上のように、「タテ何センチ、ヨコ何センチ」で場所が決まります。 - 3次元
立体の世界。縦・横に「高さ」が加わり、私たちがふだん見ている空間です。部屋の中のものの位置を決めるには、「前後・左右・上下」の3つの向きが必要になります。 - 4次元
3次元の空間に、「時間」という新しい向きを足した考え方です。「どこにあるか」だけでなく、「いつ、そこにあるか」まで指定して、はじめて出来事や動きを表せます。
これらの昆虫は、風に揺れる枝の一部として、怒ったハチのような仕草で、あるいは「時間から降りた死骸」として生き抜いています。ここでは、姿そのものよりも「時間の中でどう振る舞うか」に焦点を当てて、擬態のもう一つの顔を見ていきます。
一瞬ではなく、振る舞いでだます
擬態を図鑑などの写真で見ると、どうしても「形」や「色」に注目しがちです。しかし野外で生き物を見ると、擬態は静止画ではありません。



生き物たちの生活環境では、多くの場合、風が吹き、光は変わり、背景は揺れ、捕食者も動いています。
そこで重要になるのが、時間の中でどう存在するかです。ある瞬間に葉や枝に似ていても、動き方が昆虫らしければ見つかってしまいます。



しかし、形が多少不完全でも、動きが背景と合っていれば、捕食者に違和感を与えにくくなるのです。



このような戦略を、ここでは「時間を真似る擬態=4次元的な擬態」と呼んでみます。
専門用語として固定された表現ではありませんが、行動的擬態や動的な隠蔽を考えるうえで、とても大切な視点です。
ゴーストマンティスの「風揺れ」


出典:iNaturalist – ボウレイカマキリ Phyllocrania paradoxa(kikojanneman)
待ち伏せするゴーストマンティス、またの名をボウレイカマキリ(Phyllocrania paradoxa)。このカマキリを初めて見ると、多くの人は「枯れ葉がゆらゆらしている」ように見えるでしょう。
細長く湾曲した体に、ちぎれた葉片のような脚や胸部の突起、乾いた落ち葉色の体表…。静止しているだけでも、朽ち葉の積もった地面や枝先の枯れ葉の束に自然と紛れ込んでしまう、不思議な姿のカマキリです。


出典:iNaturalist – ボウレイカマキリ Phyllocrania paradoxa(steveball)
けれども、この昆虫の擬態のおもしろさは「形」だけではありません。じっと観察していると、ときどき全身をゆっくりと左右に揺らし、まるで風に吹かれてかすかに震える枯れ葉のような動きを見せます。
落ち葉は、周囲の葉や枝と一緒に、風の強さや向きに応じて不規則に揺れます。もしゴーストマンティスが、いかにもカマキリらしく素早く歩き回れば、その瞬間に「昆虫らしい動き」として捕食者の目に止まってしまうかもしれません。
ところが、ゆるやかでわずかに乱れたリズムの揺れを挟むことで、背景の枯れ葉が見せる「揺れ方」に、溶け込んで見えるのです。



日本語ではありませんが、下の動画でPhyllocrania paradoxa の動きを観察できます👇️
この行動は、ナナフシの「風揺れ」と同じく、単なる姿勢制御ではなく、背景と一体になるための動的なカモフラージュ(行動的擬態)と解釈できます。「枯れ葉に似ている」だけではなく、「枯れ葉として振る舞う」ことで、見る側の認識そのものをずらしていると言ってよいでしょう。
擬態は、静止画の形だけで完結するものではなく、「時間の中でどう振る舞うか」まで含めて初めて完成するのだと、この小さな“亡霊”のカマキリは教えてくれます。
空間の揺らぎを全身で表現するカマキリモドキ


出典:iNaturalist – Climaciella brunnea(gokey)
カマキリモドキ(とくにClimaciella brunnea など)を野外で観察していると、そのおかしな「時間の使い方」に目を奪われます。カマキリモドキのなかまは、前脚だけ見れば小さなカマキリのようですが、実際の動き方はむしろハチに近く、静止画や標本からでは分からない“振る舞いとしての擬態”が見えてきます。


出典:iNaturalist – キカマキリモドキ Eumantispa harmandi(komarov)
草むらの中で獲物を待ち伏せしているとき、あるいは鳥などの気配を察したとき、カマキリモドキは細い草の茎や枝にとまり、前脚をそっと折りたたんだまま、体を小刻みに揺らします。その揺れ方は、風にそよぐ草の先端にも、落ち着きなく動き回るハチのようにも見えます。


出典:iNaturalist – Climaciella obtusa(martin_galli)
ときには腹部をクイッと持ち上げ、まるで針を構えたハチが威嚇しているような仕草を見せることもあります。ここで重要なのは、体の形そのものよりも、「いつ・どのようなリズムで動くか」という時間のパターンです。
標本箱の中のカマキリモドキは、「カマキリのようなカマを持った、変わった昆虫」にすぎません。しかし、野外の個体は、色とシルエットに加え、ハチらしい速さで歩き、ハチらしいテンポで体を揺らし、ハチらしい腹部の振り上げ方を演じています。
つまり、「ハチの形」を完璧に再現しているのではなく、「危険なハチがそこにいる」と天敵の脳に信じ込ませるための時間的な振る舞いを、全身でトレースしているのです。



カマキリモドキの仲間には、下のように、あまりハチに似ていないものもいます。


出典:iNaturalist – Zeugomantispa minuta(macro_biologist)



ハチに擬態していないタイプのカマキリモドキも、全体的にカマキリ(待ち伏せ型のハンター)よりは、動き回って獲物を探している印象を受けます。



分類学的には、カマキリモドキはカマキリとはかなり離れたグループに属していて、むしろウスバカゲロウやクサカゲロウに近い仲間です。
タナトーシス(擬死)という時間戦略


出典:iNaturalist – シロジュウシホシテントウ Calvia quatuordecimguttata(dbmcc09)
危険を察知した瞬間、わざと「死んだふり」をして時間の流れから降りてしまう昆虫がいます。この行動は「タナトーシス(擬死)」と呼ばれ、テントウムシやゾウムシ、コオロギなど、さまざまなグループで知られています。



体を丸めて地面に落ち、そのまま長いあいだ微動だにしない個体を見たことがある方も多いかもしれませんね。
捕食者の多くは、「動くもの」「今まさに生きているもの」に強く反応します。逆に、完全に動きを止めた対象は、新鮮でない餌や既に誰かが食べた残りとして処理されやすくなります。
もし昆虫が慌てて走り回れば、その動き自体が「生きた獲物」のシグナルになってしまうでしょう。しかし、葉からコロンと落ちて、フンやゴミのように転がったまま静止すれば、その時間だけは「意味のない死骸や屑」として見過ごされる可能性が高くなります。



生き物によっては、動く獲物しか捕食しない例も珍しくありません。


出典:iNaturalist – シロコブゾウムシ Episomus turritus(onidiras)
ここで鍵になるのは、「どんな姿勢か」だけではなく、「どれくらいのあいだ、どれほど徹底して動かないか」という時間の使い方です。擬死行動をとるゾウムシの中には、人が触れてから数分以上も動かずにじっとしているものもいて、そのあいだ捕食者の注意は別の“より動く獲物”へと移っていきます。
タナトーシスは「死体の形を真似る」のではなく、「死体らしい時間」を演じる戦略だとも言えます。擬態は、生き生きと動くことだけでなく、あえて「時間から降りる」という選択肢まで含めて考える必要があるのだ、と教えてくれる例です。
形よりも、「どう存在するか」


出典:iNaturalist – Hadrobregmus denticollis(corinnah)
時間を真似る擬態を考えると、擬態の見方が変わります。似ているかどうかは、図鑑の写真だけでは全てを判断できません。
野外で、どの植物に止まっているか、どの角度で体を置くか、風が吹いたときにどう動くか、どれくらい長く静止するか…。それらすべてが擬態の一部なのです。



このような「動きのなりすまし」も、体の色や形の擬態と同じく、自然淘汰の積み重ねで少しずつ洗練されてきた行動だと考えられています。
たまたま敵に気づかれにくい動き方をした個体(揺れ方が枝に似ている、アリらしい歩き方をする、など)が、捕食されにくく、生き残る確率が上がったとします。その行動パターンをつくる神経回路や筋肉の動かし方は遺伝的な影響を受けるため、その子孫に似た行動が受け継がれやすく、世代を重ねるうちに、「敵に効く」パターンが選ばれて少しずつ洗練され、「いかにも枝」「いかにもアリ」「死んだように見える」などの動きが固定していく、とも考えられるのです。


「理解不能」であることで身を守る


出典:iNaturalist – Euphobetron cypris(marcoscampis)



上のイラガの幼虫、一見、まったく理解不能で混乱しますね~



とても美味しくなさそうですよね!



捕食者に「食べられない」と判断させる、素晴らしい防御戦略といえますね。
怖さの正体:脳をフリーズさせる驚愕の力


出典:iNaturalist – Manduca neglecta(ricardoinaturalist)
捕食者に見つからないことは、身を守るための基本です。しかし、見つかってしまったあとにも使える戦略があります。それが、相手を一瞬驚かせることです。
突然、大きな目のような模様が現れる。地味な翅の裏から、強烈な色がぱっと出る。見慣れない形の突起が、食べられるものなのか危険なものなのか判断を迷わせる。こうした防御は、捕食者の判断を一瞬止めることを狙います。


出典:iNaturalist – Procitheronia principalis(felipi_andrade)
捕食の場面では、一瞬の遅れが生死を分けます。捕食者が「これは何だ?」と迷ったり、驚いて動きを止めたりした瞬間に、その昆虫は逃げる隙を得るかもしれません。
ここでは、正確に何かに似るよりも、相手の脳に処理しきれない情報を投げ込むことが重要になります。



驚かせたり、一瞬の迷いを誘うために奇抜な模様や、理解不能な姿をしていると考えられている昆虫の例を見てみましょう。
ビワハゴロモの「正体不明な顔」


出典:iNaturalist – ユカタンビワハゴロモ Fulgora laternaria(goodbugs)
ビワハゴロモの仲間、ユカタンビワハゴロモ(Fulgora laternaria )は、英語で「ピーナッツヘッドランタンフライ」と呼ばれる、奇抜な姿のものが多いビワハゴロモの中でも、かなり奇妙なヨコバイの一種です。長く伸びた頭部の先端には、落花生のようにも、小さな爬虫類の頭のようにも見える膨らみがついていて、正面から見ると「何かの顔」のような模様が浮かび上がります。
翅を閉じて幹にとまっているときでさえ、全体としては枯れた樹皮や苔むした塊のように見える一方、この不思議な頭だけが妙に存在感を放ちます。
おもしろいのは、この造形が「何かにそっくり」ではなく、「何だか分からない何か」であるところです。ヘビの頭に見えるという説もあれば、ワニのようだ、ピーナッツの殻のようだ、と人によって連想する対象が違います。



まあ、総じて昆虫が擬態しているのは「人間を騙すため」が第一目的ではありませんから、「天敵から見てどうか」が問われますね!



そうですね〜、ヘビや爬虫類ならわかるのですけど、ワニやピーナッツは人間が面白がって言っているのだと思います…



大幅に大きさの違うユカタンビワハゴロモとワニが「似ている」と思えるのは、人間くらいかもしれませんね。
捕食者にとっても同じで、「食べていい小さな虫」なのか、「噛みついたり毒を持っていそうな奇妙な生き物」なのか、一瞬では判断しづらい相手です。そのあいだに、ビワハゴロモは幹の裏側へ回り込む、飛び立つなどして距離を取ることができます。
ここでは、特定の何かに擬態しているというより、「一瞬で何なのか判断できない姿」をあえて提示することで、相手の脳をフリーズさせる戦略が働いていると考えられます。
理解不能な姿そのものが、防御の一部になっている昆虫の好例と言えるでしょう。



なんと、このユカタンビワハゴロモ、見た目で混乱させるだけでなく、目玉模様でびっくりさせたり、最後の手段(?)で死んだふりもします!


出典:iNaturalist – ユカタンビワハゴロモ Fulgora laternaria(sebsant)


出典:iNaturalist – ユカタンビワハゴロモ Fulgora laternaria(alexramirezg)



多彩ですね~!
ツノゼミ類:正解のない形


出典:iNaturalist – Cladonota apicalis(lejasama)
ツノゼミ類は、昆虫の中でも特に奇妙な姿で知られています。頭の上、正確には前胸の部分に、角、棘、球、葉、アリのような形など、さまざまな突起をもつ種類がいます。



様々な姿のツノゼミがいますが、何に似ているのか明確でないものもいます。



標本を作っていると、ツノゼミの突起部分は、ほとんどの場合とても軽く感じます。おそらくとてもスカスカにできているのではないでしょうか?


出典:iNaturalist – Heteronotus delineatus(mason_s)
捕食者にとっても、「何に見えるのか分かりにくい小さな塊」は、安易に口に入れにくい相手です。



生き物はふつう、「確実に食べ物だとわかるもの」を優先して選びます。
刺さりそうな棘に見えるのか、コケやくずのかけらに見えるのか、あるいはアリのような危険な昆虫に見えるのか――天敵の目から見たとき、それぞれのツノゼミの突起には、それなりの“意味”があるはずです。


出典:iNaturalist – Lycoderides elephantus(elendil_c)
私たち人間には「何に似ているのか分からない」ように見える形でも、天敵や同種の仲間にとっては、何らかのシグナルになっている可能性があります。



そもそも、その姿を天敵や仲間から見てどう感じるかは、人間の価値観からでは理解できない領域もあるかもしれません。



それぞれの生き物になりきって考えてみると、何か発見があるかもしれませんね。



生き物には同じ種のなかでも個体差がありますし、視覚・嗅覚・触覚など、「どのような感覚で生きているか」は、生き物の数だけあると言えます。
ヨナグニサンの「ヘビに見えそうな気配」


出典:iNaturalist – ヨナグニサン Attacus atlas(gd6)
世界最大級のガヨナグニサン(Attacus atlas )は、翅を広げると 20 センチメートルを超えることもあるほどの大きさです。前翅の先端は細く突き出し、そこに走る模様と輪郭が組み合わさることで、横を向いたヘビの頭や、何か別の生き物の顔のようにも見えます。
森の暗がりで枝にとまっている姿では、この「頭らしき部分」がこちらをうかがっているように見え、羽ばたいたときには左右に揺れながら、草木の陰で急に生き物めいた気配を帯びます。


出典:iNaturalist – ヨナグニサン Attacus atlas(angelalai)



特に霊長類ではヘビを「怖い」と感じる(怖い対象として学習しやすい)と言われていますが、鳥や小型哺乳類など、その他多くの動物にも同じような傾向が観察されます。
ただし、この模様は「完璧なヘビのコピー」ではありません。近づいてよく見れば、あくまでガの翅であり、ヘビの形に忠実というわけでもありません。



完全なコピーではありませんが、下の拡大写真を見ると、白色が上手くハイライトになっていて、爬虫類のような艶と立体感が表現されているように思います。


出典:iNaturalist – ヨナグニサン Attacus atlas(cheryl394)
それでも、薄暗い環境で一瞬だけ視界に入ったときには、「ただの大きなガ」ではなく、「何か危険そうなもの」に見えてしまう曖昧さがあります。自然界の捕食者にとって、獲物を見つけてから攻撃するまでの時間は限られています。



大きな体は見つかりやすいリスクがあります。そこであえて「ヘビかもしれない」と思わせる模様を見せて、身を守っているのですね〜



ヨナグニサンは基本的には夜行性で、鳥などの主な天敵の活動しない時間に活動することでも、捕食されるリスクを下げています。
「これは食べても安全か」「噛みつくものかもしれない」という判断にほんの少しでも迷いが生じれば、そのわずかな遅れのあいだにヨナグニサンは飛び立つことができます。ここでは、「特定の動物に正確に似る」ことよりも、「危険な何かを連想させる」ことが防御の本質になっていると考えられます。



一瞬の迷い、一瞬の恐怖を誘うことで、「生き延びるチャンス」をつくろうとしている、と言えますね。
ビワハゴロモやツノゼミ類と同じように、ヨナグニサンもまた、「理解しきれない形」や「判断しにくい模様」を利用して、相手の脳に一瞬だけブレーキをかけているように見えるのです。
ヤママユガの「透明な窓」の意味とは?


出典:iNaturalist – ヘラクレスサン Coscinocera hercules(ethanbeaver)
ヤママユガ科のガなど、ガの仲間には翅の一部がガラス片のように透き通っていることがあります。これは一般に「透明窓(window spot)」と呼ばれる構造で、その部分では鱗粉が薄くなっていたり、欠けていたりするために、背景の光や色がそのまま透けて見えます。
ぱっと見は飾りのようにも見えますが、この透明な斑は、翅の輪郭をわずかに曖昧にし、「いかにも虫らしいシルエット」を崩す役割を担っている可能性があります。


出典:iNatralist – ウスタビガ 日本亜種 Rhodinia fugax ssp. fugax(eri3000)
捕食者は、多くの場合、輪郭や左右対称性、一定の大きさや質感といった手がかりを使って、「これは生き物だ」と判断します。ところが、翅の途中に背景が透ける窓があると、そこだけ葉や枝の色が浮かび上がり、全体としてどこまでが一匹のガなのか、ひと目では把握しづらくなります。


出典:iNaturalist – Epiphora mythimnia(kellyabram)



たくさんいてもなんだかザワザワした気持ちになりますね…



「よくわからないもの」に不安や恐怖を感じるのは、ごく自然なことです。この感覚を上手く利用されているということですね。
ヨナグニサンのような大型種では、この透明窓が目のように見えたり、翅に穴が空いているように見えたりして、不思議な違和感を生みます。完全に姿を消すのではなく、「何だか分からない形」に見せることで、相手の認識を少しだけ狂わせる——透明な窓は、そんな「視覚的なひっかかり」として働いているのかもしれません。


「お互いに似せ合う」共進化のミステリー


出典:iNaturalist – Pachyrhynchus gloriosus(merec0)



カタゾウムシは固い昆虫の代表格ですね〜



カタゾウムシのひょうたん型の体つきは、ほとんど飛ばなくなった結果、胸の飛翔筋が縮小し、そのぶん前側や腹側に別の筋肉や内臓を配置しやすくなったことと関係していると考えられます。
どちらが本物で、どちらが偽物か?
擬態の話では、よく「本物」と「なりすましている側」という言い方をします。毒をもつハチが本物で、ハチに似たハナアブがなりすましている…。
危険なモデルと、危険でないミミック。その構図はわかりやすく、ベイツ型擬態の説明には便利です。



ゲームの中ではミミックはだいたい危険で攻撃してきますが、自然界では「なりすましている生き物=ミミック」は、そうとも限りません。
しかし自然界には、その単純な図式では説明しにくい例があります。複数の種が互いに似合い、どれが本物でどれがなりすましているのか、はっきり言いにくくなる場合です。
その代表的な例の一つが、フィリピンのカタゾウムシ類と、それに似たカミキリムシ類です。
パキリンクス属カタゾウムシとドリオプス属カミキリムシ


出典:iNaturalist – Pachyrhynchus jitanasaius(galanhsnu)
フィリピンには、Pachyrhynchus などの美しいカタゾウムシ類が知られています。硬い体をもち、鮮やかな模様をもつ種が多く、昆虫好きにはとても魅力的なグループです。非常に硬く、鳥が食べても吐き出すほどだとされることもあります。



日本にも、真っ黒いカタゾウムシが生息していますよ。



とても硬いので、標本にする時は台紙につけることが多いです。針を刺すのも不可能ではありませんが、とにかく硬いので手間がかかります。


出典:スルガ銀行 ‐ 無数の新種、不思議でユニークな生態&進化…。
観察するほどに虫の魅力が見えてくる、昆虫標本の世界(2016年11月30日)
一方、Doliops 属などのカミキリムシ類には、これらのカタゾウムシに驚くほど似たものがいます。体形も色も模様も、まるで同じグループの昆虫のようです。しかし分類上は別の仲間です。


出典:iNaturalist – Doliops similis(shipher)
この場合、カミキリムシはカタゾウムシの「硬い、食べにくい、危険かもしれない」という評判に乗っていると考えられます。捕食者がカタゾウムシを避けるなら、似たカミキリムシも攻撃されにくくなるからです。
擬態リング:全員で「僕たちは硬いぞ」と主張する


出典:WIKIMEDIA COMMONS – Doliops geometrica (11440573853)
さらに面白いのは、同じ地域に複数のカタゾウムシ類がいて、それぞれが似た模様を共有している場合です。そこにカミキリムシなど別の昆虫も加わると、擬態リングが形成されます。
擬態リングでは、単純に一種の「なりすまし」が一種の本物に似るわけではありません。複数の種が同じシグナルを共有し、捕食者に対して共通のメッセージを出します。



「これは食べにくい」「これは危険かもしれない」「これは避けたほうがよい」といったメッセージを、集団で支えているのです。


出典:iNaturalist – Pachyrhynchus reticulatus(gernotkunz)
もし参加者の中に、実際には防御力の弱い種が混じっていれば、そこにはベイツ型的な要素があります。一方、複数の種がそれぞれ不味さや硬さをもっていれば、ミュラー型的な要素もあります。
自然界では、この二つがきれいに分かれるとは限りません。



このような例は他にもあります。代表的なものを挙げると、ベニボタル(有毒)とそれにそっくりな別の「ベニボタル風」の姿をした昆虫たちです。


出典:iNaturalist – Dictyoptera coccinata(pawelp)


出典:iNaturalist – アカハネムシ Pseudopyrochroa vestiflua(tosakah)


出典:iNaturalist – ニホンベニコメツキ Denticollis nipponensis(shyakosan)


出典:iNaturalist – Lycocerus nigricollis(aerobird)


出典:iNaturalist – ベニカミキリ Purpuricenus temminckii(antony2675)
ベイツ型とミュラー型の境界は、教科書的には便利ですが、現実にはその境目は複雑な場合があります。どれくらい防御力があるのか、捕食者がどのように学習するのか、地域にどの種がどれくらいいるのか…。
その条件によって、「本物」と「なりすまし」の関係は揺れ動きます。
擬態は個体ではなく関係の中にある


出典:iNaturalist – Pachyrhynchus tobafolius(adachao)


出典:Old World Cerambycidae Catalog ‐ SubFamily Lamiinae Tribe Apomecynini Doliops animulus Kreische 1940
このような例を見ると、擬態は一匹の昆虫の姿だけでは理解できないことがわかります。似ている相手、同じ地域にいる種、捕食者の経験、島の地理的歴史。そうした関係の網の目の中で、擬態は成立します。
カタゾウムシとカミキリムシの関係は、「どちらが本物か」という問いを揺さぶります。むしろ大切なのは、捕食者の脳の中にどのような評判が作られているかです。似た模様をもつ昆虫たちは、その評判を共有し、利用し、ときには支え合っています。
ここまで来ると、擬態は単なるものまね大会ではありません。生物同士の関係、捕食者の学習、地域の進化史が絡み合った、共進化のミステリーなのです。


おわりに:昆虫の擬態が人間に問いかけるもの


出典:iNaturalist – Graphocephala coccinea(bob15noble)
認知をハッキングする生命の神秘


出典:iNaturalist – Euthalia aconthea(pradyut_b)
擬態は、もはや「何かにそっくり」という一言では語りきれません。ゴミを背負うクサカゲロウの幼虫は、特定の生き物に似るのではなく、「意味のない破片」として視界から追いやられます。透明な翅をもつチョウは、背景に似せるのではなく、背景そのものを透かしてしまいます。
枝そっくりのナナフシは、形だけでなく、風に揺れる「枝らしい時間の流れ」まで演じています。目玉模様やツノゼミの突起は、「これは何だ」と相手の判断を一瞬止めるための仕掛けであり、擬態リングではそもそも「本物」と「なりすまし」の境界そのものがあいまいになります。
こうした例の共通点は、どれも相手の脳の働きに踏み込んでいることです。見つけられるか、無視されるか、怖がられるか、迷われるか──昆虫たちの戦略は、姿かたちだけでなく、「相手がどう認知するか」を精密に利用しているのです。



自然界でも、まさに「認知戦」が繰り広げられているのです。
人間もハッキングされている


出典:WIKIMEDIA COMMONS – Saruiwa 2009A
私たち人間の脳もまた、昆虫の擬態に深く“巻き込まれる側”の存在です。
たとえば、雲や木の模様に人の顔を見出してしまう「パレイドリア」という現象があります。これは、脳が周囲の重要なパターンを素早く検出しようとする優れた性質から生まれるものです。
一方で、私たちの脳は、道端の小石や机の小さな汚れのように「意味がない」と判断した情報を自動的に切り捨てています。この仕組みがあるおかげで必要な事象に集中できますが、これは「ゴミやノイズ」に化ける生き物にとっては格好の狙いどころとなるのです。


出典:iNaturalist – Caligo teucer ssp. japetus(paulopaiva)
さらに、人間は正体の分からないものを本能的に警戒し、怖がる性質も持ち合わせています。暗がりの奇妙な影や目玉模様に緊張感を覚えるのも、危険を回避しようとする防衛本能の現れに他なりません。
写真や標本を見て「枝のようだ」「顔に見えて怖い」と感じるとき、私たちの認知もすでに、昆虫たちの戦略のなかに組み込まれているのです。
擬態という進化的最適解


出典:iNaturalist – ニセハナマオウカマキリ Idolomantis diabolica(thecollectivegreen)
自然界では、生き残ること、繁殖すること、次の世代へつなぐことが基本です。食べられにくい姿、見つかりにくい動き、相手に判断を迷わせる模様…。



それらが有利であれば、長い時間の中で選ばれていきます。
擬態は、進化が作り出した最適解の一つです。小さな昆虫たちは、力で勝てない相手に対して、姿、行動、化学物質、光、時間、認知を使って生き抜いてきたのです。



さて、私たちが何気なく見ているものは、本当に真実なのでしょうか…。
見えているのに、認識していないものはどれほどあるのでしょうか。生き物の形は、なぜそのようになったのでしょうか。



擬態を知ることは、昆虫を知ることであると同時に、私たち自身の認知を見つめ直すことでもあります。



「なりすます生き物【昆虫編】」の前編はこちら👇️




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ブログ記事より少し踏み込んだ内容も追加されていますよ




参考・引用文献
「見えない」のではなく「認識されない」
- Bond et al. ‐ “Finding a signal hidden among noise: how can predators overcome camouflage?”(Philosophical Transactions of the Royal Society B, 2020)
- Pérez-de la Fuente et al. ‐ “Early evolution and ecology of camouflage in insects”(PNAS, 2012)
- Pérez-de la Fuente et al. ‐ “A soil-carrying lacewing larva in Early Cretaceous Lebanese amber”(Scientific Reports, 2018)
- Pomerantz et al. ‐ “Developmental, cellular, and biochemical basis of transparency in clearwing butterflies”(Journal of Experimental Biology, 2021)
- Finet et al. ‐ “Multi-scale dissection of wing transparency in the clearwing butterfly Phanus vitreus”(Journal of the Royal Society Interface, 2023)
- Kodandaramaiah ‐ “Nanosciences meets ecology: Evolution of stealth nanostructures in insects”(Journal of Biosciences, 2025)
- Zhang et al. ‐ “Brochosomes as an antireflective camouflage coating for leafhoppers”(eLife, 2025)
- Schaefer & Stobbe ‐ “Disruptive coloration provides camouflage independent of background matching”(Proceedings of the Royal Society B, 2006)
形ではなく「時間を真似る」擬態
- Shi et al. ‐ “Early specializations for mimicry and defense in a Jurassic stick insect”(National Science Review, 2020)
- Robertson et al. ‐ “Evolution of Oviposition Techniques in Stick and Leaf Insects (Phasmatodea)”(Frontiers in Ecology and Evolution, 2018)
- Boisseau et al. ‐ “Divergence time and environmental similarity predict the strength of morphological convergence in stick and leaf insects”(PNAS, 2023)
- Monserrat & Gavira ‐ “Wing Variability in Some Andean Brown Lacewing Insects as an Adaptive Survival Strategy”(Insects, 2025)
- Lown et al. ‐ “Defeating Crypsis: Detection and Learning of Camouflage Strategies”(PLOS ONE, 2013)
- Ruxton et al. ‐ Avoiding Attack(Oxford University Press, 2018, 第2版)
「理解不能」であることで身を守る
- Umbers et al. ‐ “Deimatism: a neglected component of antipredator defence”(Biology Letters, 2017)
- Rowe et al. ‐ “Testing the feasibility of the startle-first route to deimatism”(Scientific Reports, 2018)
- De Bona et al. ‐ “Predator mimicry, not conspicuousness, explains the efficacy of butterfly eyespots”(Proceedings of the Royal Society B, 2015)
- McKey ‐ “Intimidation or deflection: field experiments in a tropical forest to simultaneously test two competing hypotheses about how butterfly eyespots confer protection”(PCI Ecology, 2024)
- Kang et al. ‐ “Prey with hidden colour defences benefit from their similarity to aposematic signals”(Proceedings of the Royal Society B, 2020)
- Kudla et al. ‐ “The roles of growth regulation and appendage patterning genes in the morphogenesis of treehopper pronota”(Proceedings of the Royal Society B, 2022)
- Janzen et al. ‐ “A tropical horde of counterfeit predator eyes”(PNAS, 2010)
「お互いに似せ合う」共進化のミステリー
- Van Dam et al. ‐ “Biogeography confounds the signal of cospeciation in Batesian mimicry”(Current Biology, 2024)
- Cabras et al. ‐ “Metapocyrtus kitangladensis sp. n., a new Pachyrhynchus mimic from Mindanao Island”(ZooKeys, 2019)
- Chatelain et al. ‐ “Müllerian mimicry among bees and wasps: a review”(Biological Reviews, 2023)
- Huheey ‐ “Studies in warning coloration and mimicry. VII. Evolutionary consequences of a Batesian-Müllerian spectrum”(Evolution, 1976)
- Heerwig et al. ‐ “Effects of predator associative learning and innate aversion on mimicry complexes”(Evolutionary Ecology, 2023)
- Johnstone & Holen ‐ “Reciprocal mimicry: kin selection can drive defended prey to resemble their Batesian mimics”(Proceedings of the Royal Society B, 2018)
おわりに:昆虫の擬態が人間に問いかけるもの
- Stevens ‐ Cheats and Deceits: How Animals and Plants Exploit and Mislead(Oxford University Press, 2016)
- Osorio & Chittka ‐ “Cognitive Dimensions of Predator Responses to Imperfect Mimicry”(PLOS Biology, 2007)
- Bond et al. ‐ “Finding a signal hidden among noise: how can predators overcome camouflage?”(Philosophical Transactions of the Royal Society B, 2020)
- Dalziell et al. ‐ “Understanding Mimicry – with Special Reference to Vocal Mimicry”(Ethology, 2013)
- Vane-Wright ‐ “A classificatory review of mimicry systems”(Annual Review of Ecology and Systematics, 1982)
- Schaefer & Stobbe ‐ “Disruptive coloration provides camouflage independent of background matching”(Proceedings of the Royal Society B, 2006)

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