
何気なくホームセンターで苗を買って植えたバラが、毎年とんでもなく伸び、フェンスを超えてマンションの共有部分に出てしまうため、そのたびにバッサリ切っているのですが、次から次へと枝が伸びます…
もしかしたら、剪定の仕方が間違っているかもしれないと思い、調べてみることにしました。ついでにバラの基本情報や育て方、選び方なども勉強しておきます!
(筆者の家のバラはもうすっかり根付いてしまっていますが…)
バラ(気まぐれで植えてしまった)基本情報

バラは「花の女王」とも呼ばれるほど美しく、ガーデニング初心者から上級者まで幅広く愛されている植物です。まずは、筆者のようにバラを気まぐれで植えてしまった人にも分かりやすいように、バラの基本情報をまとめます。
バラの特徴
バラにはさまざまな花型があり、剣弁高芯咲き(とがった花弁が中心に高く盛り上がる形)だけでなく、カップ咲きやロゼット咲きなど、花弁が幾重にも重なるタイプも人気です。色も豊富で、庭を華やかに彩ります。
バラの樹形による分類
バラは大きく分けていくつかの樹形タイプがあります。主なものは以下の通りです。
- ブッシュタイプ(B):木立性で、比較的コンパクトにまとまるタイプ。庭植えや鉢植えに向いています。
- シュラブタイプ(S):半ツル性で、枝がやや長く伸びるタイプ。自然な樹形を楽しめます。
- クライミングタイプ(CL):ツル性で、フェンスやアーチに誘引して楽しむタイプ。
バラの育てやすさ
バラは「難しそう」と思われがちですが、実は草花や野菜が普通に育つ土壌であれば、比較的簡単に育てることができます。特に最近では、病気に強い品種や育てやすい苗も多く出回っています。

ちなみに筆者のバラは、毎年2mを超える高さになり、台風で地面に倒れても不屈の精神でそこからV字回復してきます。
バラの植え付けと土づくり
植物を元気に育てるには「土づくり」が大切です。バラに関してもこれは同じで、植え付けの2〜4週間前に、堆肥や肥料を混ぜて土を準備しておくと、根がしっかり張りやすくなるそうです。
しかし、筆者の場合は何もしていません。引っ越してきて間もない頃、場所が空いていたから気まぐれに植えただけです。
これが、3年目くらいから爆発的に大きくなるように…。
うちは地面のちょっと深いところに条件の良い土の層でもあるのでしょうか?
バラの正しい育て方

何もせずとも伸びに伸びてしまい困っている筆者ですが、何か盲点でもあって伸びすぎてしまっているのでしょうか?次はバラの正しい育て方を確認していきたいと思います。
土づくりと植え付け
バラは水はけがよく、肥沃な土を好みます。市販のバラ専用培養土や、赤玉土・腐葉土・ピートモスを混ぜた用土が推奨されています。植え付けの前に堆肥や元肥を土に混ぜ込むことで、根張りがよくなります。苗は根を軽くほぐしてから植え付けましょう。
ポイント
- 水はけの良い土を選ぶ
- 植え付け前に堆肥や元肥を入れる
- 根をほぐしてから植える
日当たりと風通しの確保
バラは日当たりと風通しの良い場所を好みます。日照不足や風通しの悪さは、病害虫の原因にもなります。周囲の植物や障害物に注意して、できるだけ日が当たる場所に植えましょう。
ポイント
- 1日6時間以上日が当たる場所が理想
- 周囲の植物との間隔を十分に取る
水やりの基本
バラは乾燥に弱いですが、過湿も苦手です。土の表面が乾いたら、株元にたっぷりと水を与えます。葉や花に水がかからないように注意しましょう。
ポイント
- 土の表面が乾いたらたっぷり水やり
- 葉や花には水をかけない

水なんて植えた時以来あげてませんけどね…
地域や条件によっては必要なのかな
肥料の与え方
バラは生育期に肥料を必要とします。春と秋の生育期には、バラに適した肥料を株元に与えます。与えすぎは根を傷める原因になるため、説明書の分量を守りましょう。
ポイント
- 春と秋に肥料を与える
- 肥料の量とタイミングを守る

化学肥料は土壌の劣化につながります。堆肥や有機肥料を中心に使うことで、土壌の健康と微生物環境を維持することを意識してみましょう。
病害虫の予防
バラはうどんこ病や黒星病、アブラムシなどの被害を受けやすいので、葉の裏や新芽をこまめに観察し、異常があれば早めに対処しましょう。風通しを良くすることも予防につながります。
ポイント
- 定期的に葉や茎を観察する
- 風通しを意識して管理する

相性の良い植物と一緒に植えるとアレロパシー※効果で病気や外注の予防ができます。
アレロパシー
アレロパシーとは、植物が根や葉などから化学物質を出し、周囲の植物の発芽や成長を抑えたり促したりする現象。雑草防除や害虫予防にも応用される。「他感作用」とも呼ばれる。
バラと相性が良い植物は以下のようなものがあります。
- ネギ類(チャイブ、ニンニクなど): アブラムシを遠ざけ、黒点病などの病害予防が期待できます。
- マリーゴールド: 根から放出される成分がネコブセンチュウを抑制し、葉の香りが害虫を忌避します。
- カモミール: 周囲の植物の生育を促し、泥はね防止やアブラムシの誘引(バラへの被害軽減)効果も期待できます。
- ラベンダー: 強い香りでアブラムシやコガネムシなど、多くの害虫を遠ざける効果が期待できます。
- パセリ: アブラムシなどの害虫を忌避し、バラの香りや花色を良くするとも言われています。
アレロパシーは現在研究が進んでいるものの「効果が期待できる」とされるものであり、「確実に予防ができる」と断定できるものではありません。効果は個体差や環境差が大きく、また、多様な植物との組み合わせや、地中環境の豊かさなどの相互作用も影響すると考えられます。
バラの剪定の基本

バラの剪定は、健康で美しい花を咲かせるために欠かせない作業です。筆者のように伸びすぎて困る前に、基本を押さえておきましょう。
バラの剪定で重要となるポイント
- 剪定は「夏」と「冬」の年2回が基本。夏は軽く、冬は思い切ってしっかり切る。
- 剪定の目的は、古い枝や弱い枝を整理し、風通しを良くして病害虫を防ぐこと。
- 太くて元気な枝を残し、細い枝や枯れた枝、内側に向かう枝は切り落とす。
- 初心者は「全体の高さの半分~1/3程度まで切り戻す」を目安にすると分かりやすい。
剪定後は一時的に枝が少なく寂しく見えますが、春にはしっかり新芽が伸びてくるので心配しなくて大丈夫です。筆者は切るときはバッサリ切りますが、しっかり根付いているせいか、すぐに新しい芽が伸びてきます。

植物の剪定で重要なのは、その植物のコンディションを見ること!元気がない植物や植えたばかりで根が張っていない植物をバッサリ切るのは控えましょう。
伸びすぎて困る前にしておくべきこと
- 夏の間に枝が混み合ってきたら、間引き剪定で枝数を減らし、風通しを確保する。
- 花が咲き終わったら花がら摘みをして、無駄なエネルギー消費を防ぐ。
- 冬剪定では、全体のバランスを見て高さをそろえ、古くなった枝や込み合った部分をしっかり整理する。

筆者は背の高さばかり気にして切っていたので「間引き」と「スタイルを整える」ことに、注意して切ってみます!
剪定時の装備について
バラの剪定ではうっかり怪我をしやすいので、装備を整えて挑みましょう!
- バラには鋭い棘があるため、厚手のガーデングローブや長袖の作業着が必須。
- 切れ味のよい剪定バサミを使い、太い枝にはノコギリも用意すると安心。
- 目を守るためのゴーグルや、腕を守るアームカバーもあると安全。

ほとんどの棘のある植物は、棘を切ってしまっても問題ありません。もしも引っ掛ける可能性のある場所なら、棘を切っておくと安心です。
花の女王をもっと愛でよう…

出典:WIKIMEDIA COMMONS『The Roses of Heliogabalus』
今日はバラについて基本を確認しました。全体を通して、そんなに難しくはなさそうですね。
しかし、これまで放任主義の筆者はバラへの配慮が足りていなかったようです。これからも無農薬・化学肥料なし(多分その他の肥料もなし)で育てますが、剪定はもう少しこまめに、見た目も気にして切ろうと思います。
剪定のときは、くれぐれも怪我のないように!引っ掛かかりやすいニット素材の服も避けたほうが無難です。

参考
DINOS CORPORATION『バラの育て方・栽培管理|はじめてのバラ 覚えておきたいバラの基本』(2016年9月)
Hakusan『0から始めるバラの庭の作り方【ローズガーデン入門】』