Amazonで買った沈丁花の苗が届きました。とてもきれいな葉です。
小さいけれど、どうやら大きくなってからは植え替えが難しいので、この大きさでひとまず正解です。鉢植えか地植えかで悩むところ…
まずは、沈丁花の植え方・育て方を整理しておきます。
沈丁花の特徴
現在の時期(5月中旬)は、春の植え付け適期(3月~4月頃)からは少し過ぎていますが、まだ植え付けは可能だと思います。今年は割と春の穏やかな気温が長く続いていますし、問題ないと判断します。
ただし、植え付け後の暑さ対策や水切れには特に注意が必要です。せっかくの可愛い苗なので、安定するまでは気にかけてあげましょう。
沈丁花の基本的な性質
沈丁花は根付いてしまえば比較的手のかからない花木ですが、根を長く伸ばして張る性質ではないため、極端な乾きや根へのダメージには注意が必要です。
その他、以下のような特徴があります。
- 常緑低木: 一年を通して葉がついたままです。
- 開花期: 主に2月~4月頃で、強い芳香があります。
- 日当たり: 日当たりの良い場所~半日陰を好みます。夏の強い西日は避けた方が良いでしょう。
- 移植を嫌う: 一度植えた場所から動かすのを非常に嫌う性質があります。最初の場所選びがとても重要です。
- 土壌: 水はけの良い、やや湿り気のある土壌を好みます。極端な酸性土壌は避けた方が良いでしょう。
- 成長: 比較的ゆっくりです。
- 樹液: 葉や枝を切ったときに出る樹液に触れるとかぶれることがあるため、作業時は手袋をすると安心です。
沈丁花を地植えする場合
地植えをする場合、何と言っても重要なのが「場所選び」です。とても悩ましい。
場所選び(最重要ポイント!)
場所選びのポイントは以下の条件を考慮することです。
- 日当たり・風通し
午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になるような場所や、一日を通して木漏れ日が差すような場所が理想的です。強い西日が直接当たる場所は避けた方が無難です。風通しが良いことも大切です。 - 水はけ
水はけの悪い場所では根腐れしやすいため、水たまりができるような場所は避けます。粘土質の場合は土壌改良が必要です。 - スペース
最終的な樹高(1m~1.5m程度)と幅を考慮し、他の植物との間隔も十分に取りましょう。 - 移植不可を念頭に!
一度植えたら基本的に移植はできないと考えて、将来的なことも含めて慎重に場所を選びましょう。 - 香りを考慮
香りが強いので、窓の近くや玄関アプローチなど、香りを楽しめる場所に植えるのも良いですが、強すぎる香りが苦手な人は、そもそも避けたほうがいい花木かもしれません。
土作り
本来であれば、水はけの良い土壌を選び、植え付け前に堆肥を混ぜておくと良いです。(しかし今回は用意していません。)
植え付け時は、根鉢より2倍以上の大きさの穴を掘り、根を傷つけないように注意して植えます。根が張れば基本的に水やりは不要ですが、植えた直後や乾燥が続く場合はたっぷり水を与えます。
肥料
マニュアル的には、肥料は花後の4~5月、株が充実する9月、寒肥として1~2月に緩効性肥料や有機肥料を与えます。筆者は安定したら放任主義です。
姿を愛でつつ観察して、必要な対応を…と思っていますが、地植えにした植物に追肥することは殆どありません。我が家の庭は幸い土が良いのかもしれませんね。
化学肥料はできるだけ使いたくないという気持ちもあります。
沈丁花を鉢植えする場合

ここでも特に注意すべきは「植え替えしない」という前提で進めることです。しかし、沈丁花はその性質から盆栽にも適しているらしいので、好きな人は鉢植えに挑戦してみるのもいいでしょう。
また、耐寒の目安が−5℃なので、寒冷地では鉢植えにして、特に幼木のうちは冬を屋内で越したほうが安心です。
鉢と土
鉢は苗の根鉢よりも一回りから二回り大きな鉢を選びます。水はけが良いように、鉢底穴が大きいものやスリット鉢などがいいでしょう。
植え替えしないことを考慮して、深さもある程度あったほうが安心です。素焼き鉢やテラコッタ鉢は通気性が良いですが、乾燥しやすいため水やりに注意が必要です。
土は、水はけと保水性のバランスが良い土を選びます。赤玉土(小粒~中粒)7:腐葉土3程度の配合土や、市販の「花木用の培養土」などがお手軽です。
自分で配合する場合は、鹿沼土やパーライトを少量混ぜて水はけをさらに良くすることもできます。筆者の購入した苗もこのような土で送られてきました。

置き場所
基本的には地植えと同様に、日当たりと風通しの良い場所を好みます。
- 夏場
強い直射日光やコンクリートの照り返しで鉢が高温になったり、葉焼けしたりすることがあるため、夏は半日陰(午前中日が当たり、午後は明るい日陰)に移動させるか、遮光ネットなどで日差しを和らげる対策をしましょう。 - 冬場
寒さには比較的強いですが、強い寒風や霜に直接当たると葉が傷むことがあります。軒下や風当たりの弱い場所に移動させると安心です。
特に幼木のうちは注意が必要です。極端な寒冷地でなければ屋外での冬越しも可能ですが、寒波の際は不織布で覆うなどの対策をすると良いでしょう。
植え付けと管理
植え付けのときは、根を傷つけない注意が必要です。鉢底に鉢底石を敷き、その上に用土を入れます。
鉢の縁から2~3cm下まで用土を入れ、軽く押さえます。ウォータースペース※を確保しましょう。
植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。その後の水やりは土の表面が乾いたらすぐに行い、特に春~秋の生育期は水切れに注意しましょう。
もしも根詰まりしてきたら、根を傷つけないように注意して、3月下旬~4月または9月下旬~10月に一回り大きな鉢へ植え替えます。沈丁花は自然と丸い樹形になるので、ほとんど剪定も必要ありません。
もしも選定が必要なときは、整える程度にして、バッサリと強い切り方をしないようにしましょう。
ウォータースペース(水代)
鉢の縁から土の表面までの空間のこと。
水やり時、水が溢れるのを防ぎ土への浸透を助ける。
この空間に水が溜まる程度が水やりの目安にもなる。
鉢の深さに対し1割~2割程度確保する。
まとめ
まとめ(と結果)

今回は地植えにしてみました。夏の日差しを防ぐものがない場所なので、今年の夏は注意して経過を観察します。
成長は遅いそうなので、気長に成長を見守ります。花が咲くのはもしかしたら随分先かもしれませんね。
ポイントをまとめましょう。
- 沈丁花は根の成長が遅いので、極度の乾燥には注意
- 根を傷つけると枯れやすいので、移植はしないほうがいい
- 鉢植えの場合は根詰まりした場合、慎重に植え替え
- 花の香りが強いので周囲に配慮する
- 剪定は軽く整える程度に
沈丁花は同時期に咲くスイセン、ヒヤシンス、アネモネ、ハナニラなどと寄せ植えもできるそうです。寄せ植えが好きな人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
筆者は春になるとついつい、植物を買ってしまいがちです。しっかり検討して、計画的に園芸を楽しんでいきたいと思っています。
参考
HYPONeX『【ジンチョウゲの育て方】 芳醇な香りで春を告げるジンチョウゲ。ご自宅で丁寧に育てよう』(2020年4月)
GardenStory『ジンチョウゲの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します』(2019年9月)
